タイで働く日本人の仕事は仕組みを作ること
タイに住んでいる日本人ならば、大抵の人が知っている法則があります。
それは
タイ人に何かを依頼するとき、同じ内容を3回繰り返して伝えなければならない
という絶対原則です。
タイリンはタイに住み始めて1ヶ月目くらいにこの法則に気づきました。
タイ語学校に通っていたころ、同じクラスの仲間と学校近くのタイ飯屋でご飯を食べていました。
ここはお昼時は客がいっぱいで、なかなか料理が出てきません。
味は悪くないんですが、店員のサービスは本当にひどかった店です。
店員「何になさいますか?」
タイリン「えーとね、俺はカオムーデーン!」
店員「はい」 (←メモメモ)
・・・20分後・・・
来ない。
来ないでござる。
まさか注文を忘れてるなんてことは? (←実際に忘れてます)
いや、まさかそんなことはないだろう、さすがに。メモとってたし。
きっと客がいっぱいで作るのに時間がかかってるんだろうな。(←忘れてるだけです)
もう少し待ってみよう。 (←日本人的発想)
・・・30分後・・・
来ないでござる。バザールに行くでござーる。
タイリン「あのー、料理がまだ・・・」
店員「何注文しました?」 (←完全に忘れてる)
タイリン「いや、カオムーデーンを・・・」
店員「ちょっと待ってて」 (←謝罪の言葉はない)
店の奥に消える店員。
決して謝罪の言葉はありません。 (←客が多いのが悪いのだ。決して自分が悪いわけではない。給料安いし)
そして40分後。
ようやく空腹を満たすことができました、めでたしめでたし。
タイリンだけ飯にありつけて、友人がありつけないこともありました。
そんなことを何度か繰り返すうちに、タイリンと友人はようやくタイにおけるある絶対法則に気がついたのです。
タイ人に何かを依頼するとき、同じ内容を3回繰り返して伝えなければならない
2回ではまだ不十分です。
3回です。
タイ人の脳内で超短期記憶が短期記憶に変わる為には(←長期記憶ではない)
3回同じ内容をインプットしなければならないからです。
これはタイ人と待ち合わせをする場合にも同じです。
時間通りにタイ人を待ち合わせ場所に呼びたければ3回電話をする必要があります。
タイリン「今どこ?」
タイ人「あー、もう近く、もうすぐ着くから」 (←言ってみただけ、実際は近くにはいない)
ひどいタイ人になると、「もう着く」と言いつつ、電話の向こうでテレビの音が聞こえることすらあります。
まだ家かよ!!!
ここで3回電話するのは、相手にプレッシャーを与える意図があります。
「自分はもう待ち合わせ場所で待っている、すぐに来るのじゃ!!」
と、自分の主張を強烈に伝えなければなりません。そして3回です。
ここまでしてようやく相手の思い腰を上げることが可能になります。
繰り返しますが重要なのは
3回の法則
です。
そして、現在。
タイに何年も住んでいるはずなのに、当然誰もが知って然るべきこの法則を知らない日本人が身近にいたりします。
彼はタイ人に仕事を依頼します。
たった1回だけ、しかも口頭で。
この仕事の進め方は、タイリンの目にはこう映ります。
「つまりさほど重要でもないし、やらなくてもいい仕事ってことね」
本当に重要で、やって欲しい仕事であれば、メールで伝えた上でさらに口頭でも伝える必要があります。
口頭だけで伝えるのであれば3回繰り返すべきです。
案の定というか、当然の帰結というか、彼の依頼は実行に移されることもなく、
「あれー、ちゃんと言ったはずなんだけどなー」
などと言い訳をしてくる困ったちゃんです。
普通なら1,2ヶ月で気づくこの絶対法則になぜ何年も住んでて気づかない!!
まず、重要なのは
・口頭で伝えると3回同じことを繰り返さなければならない
という原則を理解することです。
しかし、3回も同じことを伝えるのは面倒なので、そこで初めて「仕組み作り」の重要さに気がつくわけです。
日本人の仕事は、タイ人にスケジュール通りに依頼通りの仕事をしてもらうことです。
言い換えれば、3回も同じことを繰り返すのが面倒なので、1回伝えただけで依頼を実行してもらうための仕組みを頭をひねって作り出すことです。
タイ人という人種は、どういう性質を持っているのか?
なぜ、「マィサバーイ」とか言って会社にこないのか?
しかも、来ない日は決まって金曜日、または月曜日なのか?
なぜ遅延してるのに報告してくれないのか?
仕様を勝手に変えるのはいかんだろう!
等々、日本人なら何も言わなくてもうまく回る仕事が、当たり前のように回らないのがタイ人なのです。
大事なのは仕組みなのだ、とつぶやいて困ったちゃんの日本人を遠くから眺めるタイリンなのでした。
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