今回は学習者を大変悩ませるルールについて説明します。
Q.次のタイ文字が読めますか?
ขยัน
A.「カヤン」
意味は「勤勉な」です。以前、変化する短母音のページで説明した短母音の「
(オ)」の書き方を覚えていますか?
「子音」+「短母音」+「末子音」
の時、母音が見えなくなってしまう、と説明しました。
例をあげると「人」を意味する「コン」 ですが、คน
![]()
どこにも母音らしきものが見当たりません。
子音の「ค(コークワーィ)」、そして末子音の「น(ノーヌー)」だけです。
これで「コン」と読みます。でも、今回のケースはそれとは違います。
子音の「ข(コーカィ)」+「ย(ヨーヤック)」ですが、この「ย」は末子音ではありません。
末子音は「น(ノーヌー)」です。これで「カヤン」と読みたいのであれば、本来はこう書くべきです。
ขะยั๋น
でも、なぜか↓こうなってしまいました。
ขยัน
これは、タイ文字にはこんなやっかいなルールがあるからです。
「高字類 or 中字類の頭子音」 + 「低字類の頭子音」 の組み合わせ=「ะ(ア)」が間に入っているものとする
さらに声調は「高字類 or 中字類の子音」 に依存する例をいくつかあげます。
実際の書き方 | 今までのルールでの書き方 |
読み方 | 意味 |
ตลาด | ตะหล่าด | タラート![]() |
市場 |
ตลอด | ตะหล่อด | タロート![]() |
いつも ずっと |
อร่อย | อะหร่อย | アロィ![]() |
おいしい |
สมุด | สะหมุด | サムット![]() |
ノート |
โรงพยาบาล | โรงพะยาบาล | ローン パヤーバーン![]() |
病院 |
さらに声調も「高字類 or 中字類の子音」 に依存します。
例えば
ตลาด (タラート)ですが、もし「ตะลาด」であれば、「ล(ローリン)」は低字類なので
![]()
となるべきですが、「ต(トータォ)」の中字類に依存するように変わりました。
従って
![]()
になります。
ともかく、これで母音の見えないパターンが3つになってしまいました。
- 二重子音
- 短母音の「
(オ)」
- 短母音の「
(ア)」
どのパターンなのか見分ける方法は次の通りです。
- 「(頭)子音」+「末子音」であれば短母音の「
(オ)」
- 「(頭)子音」+「(頭)子音」と「(頭)子音」が2回続けば二重子音かどうかを見分ける(二重子音は完璧に覚えている必要がある)
- 「(頭)子音」+「(頭)子音」と「(頭)子音」が2回続いて二重子音でなければ短母音の「
(ア)」
二重子音の表なんて忘れてしまったと思うのでここにもう一度貼ります。
第二子音 |
||||
- ร | - ล | - ว | ||
第一子音 |
ก - | กร | กล | กว |
ข - | ขร | ขล | ขว | |
ค - | คร | คล | คว | |
ป - | ปร | ปล | ||
ผ - | (ผร) | ผล | ||
พ - | พร | พล | ||
ต - | ตร |
表をよーく見て下さい。
二重子音では「ต(トータォ)」と「ล(ローリン)」の組み合わせは作れません。
従って「ตลาด(タラート)」 は二重子音ではないことがわかります。そして「
(オ)」と「
(ア)」 の見分け方です。
上の例に挙げた
สมุด(サムット)
ですが、「ส(頭子音)」+「ม(頭子音)」+「短母音」+「末子音」
と、「頭子音」が2回続きます。
「頭子音」が2回続けば「(ア)」 と読みます。
もし、これが
สม (ソム)
となっていれば、「ส(頭子音)」+「末子音」ですね。
頭子音が1回だけ登場します。
頭子音が1回だけ登場すれば「(オ)」と読めます。
ちょっと練習してみましょう。
Q.次のタイ語の読み方は?
ถนน
A.「タノン」
![]()
もう母音が全然見えませんね。
頭子音の「ถ(トートゥン)」+頭子音の「น(ノーヌー)」+末子音の「น(ノーヌー)」です。
頭子音が2回続くので、こう見えるはずです。ถะหนน
そして「นน」だけに注目すると、「頭子音」+「末子音」なので「
(オ)」です。
従って
と読めるわけです。Q.次のタイ語の読み方は?
กรด
A.「グロット」
![]()
先ほどと同じく「頭子音」+「頭子音」+「末子音」です。
「ガロット」でしょうか?違います。
この「กร」 は二重子音です。
「頭子音」+「頭子音」の組み合わせで真っ先に疑うのは「二重子音かどうか」です。
二重子音でなければ短母音の「(ア)」が隠れているんだ、と判断します。
Q.次のタイ語の読み方は?
ตราด
A.「トラート」
![]()
タイにある県の名前「トラート県」です。
この「ตร」 は二重子音です。
上の「ตลาด」(タラート)と比べてください。
「ร(ロールァ)」と「ล(ローリン)」が違うだけですが、それだけで二重子音かどうかが異なります。ちなみに、「トラート」は二重子音なので、タイ人の発音を聞いているとほとんど「タート」に聞こえます。
それに対し「タラート」は二重子音ではないので、「タラート」とはっきり聞こえます。Q.次のタイ語の読み方は?
เสมอ
A.「サムー」
![]()
「頭子音」+「頭子音」が母音に挟まれています。
「สม」この組み合わせの二重子音はありません。
従って短母音の「(ア)」です。
こう置き換えることもできます。สะเหมอ
ところで
เสมอ
こうやって書かれてしまうと
「เส」と「มอ」を切り離して
「セー・モー」と読んでしまう人がいるかもしれません。
「セー・モー」という読み方は文法的に正しい読み方です。
でも「セー・モー」ではなく、「サムー」です。
なぜなら「セー・モー」なんてタイ語は存在しないからです。つまり、「知らないと読めない」単語の1つです。
見た目は二重子音なのに実は二重子音ではない単語もあります。
二重子音の例外 |
|||
タイ語 | 正しい読み方 |
間違った読み方 | 意味 |
อันตราย | ![]() |
![]() |
危険な |
กรุณา | ![]() |
![]() |
どうぞ~してください |
ปริญญา | ![]() |
![]() |
学位 |
ผลิต | ![]() |
![]() |
生産する |
これらの例外はカタカナにしてしまうと同じ発音になってしまうのですが、タイ語では二重子音かそうでないかは大きな違いです。
タイ語では二重子音の2番目の子音はほとんど聞こえません。例えば上の例で言うと「生産する」を意味する「パリット」ですが、もし、これが二重子音だとするとほとんど「ピット」と発音します。
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高字類 or 中字類の頭子音」 + 「低字類の「頭子音」 の組み合わせ=「ะ(ア)」が間に入っているものとする
さらに声調は「高字類 or 中字類の子音」 に依存する。
とありますが、これにあてはまらない
例えば「高字類の頭子音」 + 「高字類」
などもあると思うのですが?
| マイペンライ | 2012-01-18 06:26:30 |
例外は結構あると思います。
あくまで基本的な規則であって例外はその都度覚えるのがタイ語の覚え方かと思います。
| タイリン | 2012-01-21 05:14:56 |
遅くなりましたが、
ご返答ありがとうございました。
そうですね!例外が結構あるので、戸惑いますが、慣れて行くしかないですね!
最近何となく感覚でわかるようになってきました。
| マイペンライ | 2012-12-02 17:28:40 |
いつも参考にさせて貰っています。今日タイ語のクラスでこのページのことを習いました。その際に先生に聞いてもはっきり理解しきれなかったので教えて下さい。
中子音+低子音の場合です。この場合中子音のルールに従って発音するとありますが、どうして、説明の場合ホーヒープを補って説明しているのでしょう。中子音のルールに従うのであればオーアーンを補って説明するのが妥当のような気がします。ホーヒープを補うと高子音のルールに従うように思います。
例えばタラートですが、これは中子音から初まっているので中子音のルールに従うのでしょうが、説明ではホーヒープを補って説明しています。
これはチェンマイの学校の教科書でもそうなっています。
私が何処か理解し間違っているのでしょうか。
よろしくお願いします。
| にしやん | 2013-11-27 19:01:25 |
\"โรงพยาบาล\"は、「低字類の頭子音」+「低字類の頭子音」で、この例には入らないと思います。
| チェンマイ | 2014-02-01 00:54:29 |
素晴らしいタイ語教材を提供していただき、ありがとうございます。
二週間程前から参考にさせていただいております。
質問なのですが、「声調が高字類または中字類に依存する」という意味が分かりません。
『依存』というのがしっくりこないのですが、
(中)+(低)の時、(低)の声調ルールは(中)に準ずるものとなり、
(高)+(低)の時、(低)の声調ルールは
(高)に準ずるものとなる、ということでしょうか。
| ザリガニ | 2014-02-27 17:28:58 |
実は、カンボジア語(クメール語)を勉強すれば分かってくるのですが、
見えない母音aが歴然として存在するわけではなく、
【二重子音になりきれなかった二重子音モドキ】の子音の間にaに近い音が現れるんですね。
これは、
1.二重子音や三重子音の組み合わせが自由なクメール語に同一の語源が数多く存在する。
2.英語からの外来語の三重子音にこのような現象が現れる。(例:Sprite → Sa-prai)
ことから分かります。
以上のように解釈すれば、「ルールの数」を減らすことができます。
ちなみに、ถะหนน(という単語があったとすれば)とถหนน は、発音が異なり、ถะ はthaの後ろに明確な有声閉鎖音(グロッタル・ストップ)が入ります。つまり、「ะ」には、a という音素を担う役割の他に、グロッタルストップを付加することによって音節の独立性を明示する役目も担っているわけです。これが、結局のところ、母音を短母音化するように見えるわけですね。(ะ を使って短母音化する音節末は、グロッタルストップも必ず現れますし、これが頭母音や中母音に位置することはありません。)
| 未定 | 2017-03-07 04:29:42 |
クメール語のお話、面白いですね!興味深く読ませていただきました。5年越しの返信になるので届くのか分かりませんが、ありがとうございます。
| パン・ヤマザキ | 2022-04-12 08:36:03 |